★認知行動コーチング イメージ技法と脳科学 メンタル・トレーニングへの活用

イメージ技法 メンタルトレーニングコーチング心理学などでよく利用される「イメージ技法」と脳科学の文献を調査してみました。
コーチング心理学でも,目標や未来への「イメージ技法」が利用されています(Palmer & Whybrow, 2007)。特に,心理療法やメンタル・トレーニングに分野でイメージ技法が応用されています。
未来を実現するには、未来のイメージを具体的にして,何度も繰り返しイメージするのがよいとされています。脳の中でイメージを描くだけで,思考が具現化すると言えるのでしょうか?イメージ技法やメンタル・トレーニングの脳科学的な有効性について,以下の研究があります。米国オハイオ州クリーブランド・クリニック研究所のロス博士による研究です。

Ross, J.S., J. Tkach, P. Ruggieri, M. Lieber, and E. Lapresto. (2003). The mind’s eye: Functional MR imaging evaluation of golf motor imagery. American Journal of Neuroradiology 24: 1036-1044.

この実験では,6 人のゴルファーに実験に対象にして,ゴルフをプレーしている自分自身を明確にイメージしてもらうように支持しました。
その時の脳の活性化した場所(部位)を調べたところ,
●「運動野」:実際に身体を動かす時に活性化する脳の場所(運動野)
●「前頭前野・感覚運動」:行動計画をしている時に活性化される場所。
●「小脳」:行動で失敗を意識した時に活性化される場所(小脳)など

実際にゴルフをしているように活性化されるということ研究で明らかになっています。さらに、困難さを高めると,運動野などの活性化が強くなることが,明らかになったそうです。

この研究から,イメージ技法の科学的な有効性が確認されたと考えます。
実際に,スポーツの「トップ・アスリート」ほど,イメージトレーニングの時間が長いとされています。また,イメージが,静止画ではなく,動画で具体的にイメージし,繰り返しシュミレーションを行うイメージ・トレーニングをしているようです。

もともと,イメージ・トレーニングの基は,危険や未知に遭遇する可能性の高い「宇宙飛行士」に実施されました。その有効性がみとめられて,スポーツの世界で利用されるようになりました。

一生懸命に練習や訓練することを欠かすことはできませんが、イメージ技法が有効であることが,脳科学的に有効であることが,研究により解明されてきています。

引用文献
Ross, J.S., J. Tkach, P. Ruggieri, M. Lieber, and E. Lapresto. (2003). The mind’s eye: Functional MR imaging evaluation of golf motor imagery. American Journal of Neuroradiology 24: 1036-1044.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12812924


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